ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長は13日に出した共同声明で、英・欧州連合(EU)間の将来的な関係を巡る交渉をさらに続ける方針を明らかにした。両首脳は先に、この日を最終的な交渉期限としていたが、この日朝の電話会談の結果、延長することで合意した。交渉団はブリュッセルで協議を続ける見通し。
両氏は共同声明で、電話会談は「有益だった」とコメント。「未解決の主要問題について話し合った」としている。その上で、「1年近くにわたって交渉を尽くし、繰り返し期限を逃したてきたとはいえ、現時点で一段の努力を行うのが責任ある行動だ」との考えを示し、「それぞれの交渉団に対し、交渉を継続し、このような最終段階でも合意が可能かどうかを検討するよう命じた」としている。
ドイツのメルケル首相はこれに先立ち、双方とも「結果を出すために全力を尽くすべき」との考えを示していた。
ただ、ジョンソン首相はこの共同声明の後、「英・EU間の主要分野を巡る立場には依然として大きな開きがある」と指摘。「英国は交渉から立ち去ることはしない」ものの、最も可能性が高いのは世界貿易機関(WTO)ルールに従うことで、これに備える必要があるとの考えを示した。
一方、EUのバルニエ首席交渉官は14日朝にEU加盟27カ国の大使と非公式の会合を行った。フィナンシャル・タイムズによると、バルニエ氏は英海域におけるEUの漁業権を巡り、交渉が行き詰まっていると説明。同会合の参加者によれば「向こう2、3日で残されたハードルを解消できれば、細い道の向こうに合意が見えてくる可能性がある」という。
英国は1月31日にEUを離脱したが、12月31日までは移行期間でEU加盟国と同じ扱いを受けている。EUとの合意が年内にまとまらなければ、年明けからは英・EU間の貿易にWTOのルールに基づく関税や輸入量の割り当てが適用される。
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