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英政府「ドアまだ開いている」 対EU交渉、水面下で協議続く

英国のゴーブ内閣府担当相は18日、公共放送BBCのテレビ番組で、欧州連合(EU)との将来的な関係を巡る交渉の「ドアはまだ開いている」との考えを示した。英首相官邸は先に、「対EU交渉は終わった」とコメントしていたが、英国の交渉担当を務めるデービッド・フロスト氏とEUのバルニエ首席交渉官は今週、今後の交渉の在り方について電話で協議する予定。水面下では協定締結に向けた努力が続けられているもようだ。

ゴーブ内閣府担当相はBBCのインタビューで、EUは先のサミット後の声明で「今ラウンドの交渉を打ち切ったも同然」と批判。ただ、「EUが姿勢を改めるよう期待する」とし、「もしそうなれば、交渉に応じないわけではない」と話した。

ジョンソン首相はかねて、15~16日のEU首脳会議(サミット)までに合意のめどが立たなければ交渉を打ち切るとしていたが、EUはサミット後、なお英国側の妥協が必要との声明を発表。これを受け、同首相は国内企業に合意がまとまらない場合に備えるよう呼び掛けた。首相自身は交渉打ち切りを明言しなかったものの、首相官邸はその後に「交渉は終わった」とのコメントを発表。フロスト氏は、今週に予定されていたEU交渉団のロンドン訪問を拒否していた。

フィナンシャル・タイムズによると、同氏とバルニエ氏の電話会議は、早ければ19日にも行われる予定。英国はEU側に譲歩の準備があるかどうかを探る方針という。一方、EU側は今週後半にも正式な交渉を再開することを望んでいるとみられる。19日にはゴーブ氏自身も、ロンドンで欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長とEU離脱協定の実施について協議する予定。

ただ、ゴーブ氏は、英国はEUとの貿易協定がまとまらない場合に備え、世界貿易機関(WTO)ルールに基づく貿易を行う準備を進めるべきと協調。「楽な道のりではないが、政府は企業と共にこうした結果に備える措置を取っている」と話した。政府は今週、国内企業にこうした準備を呼び掛けるキャンペーンを展開する予定。

合意の有無にかかわらず、英・EU間では膨大な数の通関申告の作成が必要となり、国内企業の追加コストは総額70億ポンドに上る見込み。ただ、英企業を対象とした先の調査結果によると、こうした準備が完了している企業は全体の半数に過ぎない。

■英企業、早急な合意を要求

新型コロナウイルス危機から企業が立ち直るには、早急な合意が必要――。英産業連盟(CBI)をはじめとする70超の国内企業・業界団体は18日、このように訴える共同声明を発表した。「企業の回復力は日一日と低下している」と警告する一方、「合意がまとまり見通しが明確になれば、企業の準備への取り組みも加速する」と指摘。「妥協と粘りがあれば合意は可能」と訴え、英・EU双方に交渉のテーブルに戻るよう要請している。

声明には、自動車製造取引業者協会(SMMT)や英金融業界団体ザ・シティーUKをはじめ、航空、化学、医薬品、小売り、農業などさまざまな業界団体も署名。合意がないまま移行期間が終了した場合に各業界が被る打撃の深刻さを訴えている。


関連国・地域: 英国EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済政治

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