国政第3党のスコットランド民族党(SNP)は27日、12月12日の総選挙に向けたマニフェストを公表した。ジョンソン首相率いる与党・保守党の過半数議席獲得を阻止し、英国の欧州連合(EU)離脱を回避する方針。また、来年中にスコットランドの独立を巡る住民投票を実施する意向も示している。
SNPはブレグジットについて、「EU残留の選択肢を含む2度目の国民投票を支持する」とした上で、「合意なき離脱に代わる選択肢が他になければ、リスボン条約第50条に基づくEU離脱通告の撤回も支持する」としている。
スコットランドの独立を巡る住民投票については、英政府の承認を得た上で実施する意向。ただ、ジョンソン首相はこれを拒否しているほか、最大野党・労働党のコービン党首も、同党が新政権を樹立した場合、最初の数年はスコットランドの住民投票を認めないとしている。SNPは、総選挙で善戦して発言力を拡大し、来年中の住民投票の実現につなげることを狙う。
マニフェストではこのほか、国民医療制度(NHS)を民営化や外資参入から守ることや、英国全体で国民1人当たりのNHS向け支出をスコットランド並みに引き上げること、麻薬対策の権限をスコットランド自治政府に移譲することなどを求めている。
同党のスタージョン党首はかねて、総選挙でどの党も単独過半数の議席を確保できなかった場合、保守党政権の樹立を阻止するため、労働党などと連合を組む方針を示している。同党首はこの日の演説でも、「ジョンソン首相には首相の資質がない」と強く批判した。
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