英政府統計局(ONS)は11日、2019年第3四半期(7~9月)の国内総生産(GDP、速報値)が前期比0.3%拡大したと発表した。第2四半期の0.2%減からプラスに復帰し、リセッション(景気後退)入りを免れた格好。7月の生産高が力強く伸びたことが貢献した。
産業別に見ると、英経済の原動力であるサービス業は0.4%拡大。伸びは前期から0.3ポイント加速した。うち自動車販売を含む運輸・倉庫・通信は0.6%、ビジネスサービス・金融は0.3%それぞれ伸びている。流通・ホテル・レストランは0.1%増えた。
鉱工業はゼロ%で、前期の1.8%減から上向いた。うち採鉱・採石は1.7%減少し、電気・ガス・蒸気・空調供給は0.7%縮小。半面、水道・下水・廃棄物処理は1.2%増加している。製造業は変化がなかった。
建設業は0.6%のプラス。農林水産業は0.2%落ち込んだ。
GDPは前年同期比では1%拡大。伸びは2010年第1四半期以降で最も減速している。
ONSは当期について、7月の経済成長がGDP成長率をプラス圏に復帰させたと指摘。サービス業と建設業は好調だったものの、製造業については多くの企業が不振だった半面、自動車メーカーがブレグジットに備えて行った4月の生産一時停止から持ち直したことが相殺したと説明した。
国際通貨基金(IMF)は先に、英国の今年のGDP成長率見通しを1.2%、来年は1.4%と予想し、いずれも前回の予測から据え置いている。
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