スコットランドの民事控訴院は11日、ジョンソン首相による議会閉会措置は違法との判断を下した。同首相の行為は「不適切に議会を妨害する目的」だとして、先の判決を覆した格好。ただ、英最高裁判所が最終判断を下すまでは、議会に対して休会を中止するよう求める命令は行わないとしている。BBC電子版などが伝えた。
民事控訴院の判事3人は満場一致で違法と判断。9月半ばに議会の閉会を宣言するようエリザベス女王に要請したジョンソン首相の決定は、権限を合法的に行使しているよりむしろ、「議会を破綻させるための戦術」だと説明した。なお、判決文の全文は13日に公表される見通し。
これを受け英政府は、最高裁に上訴する考え。同裁では17日に、この問題を巡るスコットランドとイングランドでの訴訟の審問が予定されており、英領北アイルランドのベルファストでも審問が続いている。
スコットランドの裁判は、欧州連合(EU)残留派議員75人から成る超党派のグループが8月に起こしたもの。首相の権限を超過しており、違法であるとともに憲法違反だと主張していた。
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