最大野党・労働党のコービン党首は、野党各党の党首や与党・保守党の一部議員宛ての書簡で、合意なき欧州連合(EU)離脱の阻止に向けた暫定政権を樹立し、EUに離脱延期を要請する案を打ち出した。ジョンソン内閣の不信任案をできるだけ早期に提出し、これが可決されれば自らが暫定政権を率いるとして、協力を呼び掛けている。BBC電子版が15日伝えた。
コービン党首は「厳密に期間を限定した」暫定政権を樹立し、EU離脱を延期した上で議会を解散し、総選挙を実施する方針。選挙戦では、2度目の国民投票の実施を公約として掲げ、EU残留の選択肢も示すとしている。
これに対し、自由民主党のスウィンソン党首は「コービン氏が一時的にせよ下院で多数の支持を得られるとは思えない」として提案を一蹴。一方、緑の党とウェールズ民族党、スコットランド民族党(SNP)は、この案を歓迎している。コービン党首はこのほか、合意なき離脱に反対する主な保守党議員にも書簡を送付した。ただ、現時点でこの案の実行に必要な多数派の支持は得られていないもようだ。
一方、首相広報官は「コービン党首が首相になれば国民投票の結果を覆し、経済を壊滅させる」と批判している。
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