英政府統計局(ONS)は9日、2019年第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP、速報値)が前期比0.2%減少したと発表した。第1四半期は0.2%増で、マイナス成長は2012年第4四半期以降で初めて。前期は、当初のブレグジット期限だった3月29日以降に備えて企業が在庫を積み増していたが、この在庫水準が低下した。
産業別に見ると、英経済の原動力であるサービス業は0.1%拡大。伸びは前期から0.3ポイント減速した。うち自動車販売を含む運輸・倉庫・通信は1%伸びている。流通・ホテル・レストランとビジネスサービス・金融は横ばいだった。
鉱工業は1.4%縮小し、前期の1.1%増からマイナスに転じた。うち製造業は2.3%落ち込み、採鉱・採石は0.4%減った。一方、電気・ガス・蒸気・空調供給は2.5%増加し、水道・下水・廃棄物処理は1%増えている。
建設業は1.3%減少。農林水産業も0.4%減っている。
GDPは前年同期比では1.2%拡大したものの、伸びは前期から0.6ポイント減速した。
ONSは、GDPや関連要素が年初から現在までを通じて変動が激しく、事業活動のタイミングが、英国による欧州連合(EU)離脱の当初の期限に関連して変化したことを反映していると分析。一例として、多くの自動車メーカーは不測の事態への対応策の一環として、年次の生産休止期間を4月に前倒ししたと指摘している。
国際通貨基金(IMF)は7月、英国の今年のGDP成長率見通しを1.3%とし、前回4月時点の予測から0.1ポイント上方修正。ブレグジット前の在庫積み増し需要により第1四半期の実績が予想を上回ったためとした。2020年については1.4%になるとの見方を維持している。
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