メイ首相は6日に出演した公共放送BBCのラジオ番組で、先に欧州連合(EU)と合意した離脱協定を巡る英下院での投票を延期するつもりはないと明らかにした。投票は11日に予定されているが、与野党とも離脱協定に反対する声が強く、メイ首相が承認を獲得できるめどは立っていない。タイムズによると、一部の閣僚は大敗を避けるため、メイ首相に投票の延期を促していた。
同首相は、投票を延期するつもりがあるかとの問いに対し、「そのつもりはない。11日の投票に備える」と答えた。投票延期の可能性を完全には否定しなかったが、首相官邸はその後に出した声明で、「投票は11日に行われる」とあらためて強調している。
メイ首相はまた、与党・保守党内のEU離脱強硬派から同協定への支持を取り付けるため、EU離脱後2年間の移行期間内に英国とEUが貿易協定で合意できない場合、英国全体が関税同盟にとどまる「バックストップ(安全策)」を採用するか、移行期間を延長するかの決定権を議会に与えることを提案していると認めた。バックストップは、アイルランドと英領北アイルランドの間の国境検査を避けるため、英国全体が関税同盟にとどまる措置だが、離脱強硬派はこれに強く反対している。
一方、メイ首相は「下院にはブレグジットを阻止したがっている人々がいるが、国民投票の結果を覆すのは正しくない」と述べ、離脱協定に反対するEU残留派にも不満を示した。2度目の国民投票については「実施すべきではない」とあらためて明言。「今は国全体が団結すべき時であり、2度目の国民投票でさらなる分断を生み出すべきではない」と話した。
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