英政府は17日、2030年までに年間輸出高を1兆ポンドに拡大する目標を掲げる新輸出戦略を公表した。英国輸出信用保証局(UKEF)のサービス拡大など12項目の輸出支援策を打ち出している。
英国の20年の輸出高は、製品・サービスを合わせて6,000億ポンドだった。政府は、国内企業のうち輸出を行う企業の比率が約1割にとどまっており、ドイツやデンマーク、オランダなどの欧州諸国に後れを取っていると指摘。英国企業の潜在的な輸出力を引き出す必要があるとしている。
新輸出戦略ではこれに向け、UKEFが新たなサービスを提供するほか、「英国見本市プログラム」を新設し、中小企業の出展を支援する。また、企業経営者向けの「輸出アカデミー」は、スコットランドやウェールズ、北アイルランドに拡大する。新戦略の12項目には、昨年10月に開設された対欧州輸出企業向けの単一窓口「輸出支援サービス」も含まれている。
保守党政権は12年、キャメロン元首相の下で20年までに輸出高を年間1兆ポンドに引き上げる目標を掲げ、15年の選挙公約でもこれをうたったものの、達成できなかった経緯がある。欧州連合(EU)離脱を受け、対EU輸出が減る中での目標達成はこれまで以上に困難との見方もある。予算責任局(OBR)は対EU輸出が長期的に15%減少するとの見通しを示している。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。