英国政府は3日、国内の金融機関や上場企業に対し、2023年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロ化に向けた計画を公表するよう義務付けると発表した。50年までに国内の排出量を実質ゼロ化する目標の達成に向けた措置。スナク財務相がスコットランドのグラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)での演説で明らかにした。
企業は、◇排出量実質ゼロ化の期限など、気候変動リスクの緩和に向けた高度な目標◇50年までの中間目標◇これらの目標達成に向けた具体的措置――を計画に含める必要がある。政府は、これらの計画がうわべだけ環境保護を装った「グリーンウォッシング」となることを防ぐため、産業界や学界、規制当局、市民団体の代表から成る「移行計画タスクフォース」を設置し、22年末までに報告書を提出する。
スナク財務相は、これにより「英国は、世界で初めて排出量実質ゼロ化に向け足並みの揃った金融センターとなる」との考えを示している。
一方で、政府は実質ゼロ化を法的に義務付けたり、排出量の多い事業への投資を禁止することは考えていないと説明。むしろ、実質ゼロ化計画が公表されることにより、投資家がこれに基づいて企業の信頼性や将来性を判断するようになることを狙っているとしている。[環境ニュース]
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