英スコットランドのグラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳級会合で1日、世界105カ国が2030年までに森林破壊を食い止めることで合意した。アマゾン熱帯雨林を擁するブラジルもこれを支持しており、COP26で打ち出される重要目標の第1弾となる。この達成に向け、官民共同で最低192億ドルの投資が行われる見通し。
各国首脳らは共同宣言で「30年までに森林損失と土壌劣化を食い止め、回復に転じさせるために協力する」と約束した。署名国はこの日午後7時の時点で105カ国に達し、ブラジルのほか、コロンビアやインドネシア、コンゴ民主共和国、米国、オーストラリア、ロシア、中国などが含まれている。これら105カ国を合わせると、世界の森林面積の85%を占める。
この目標の達成に向け、英国や日本、米国、ドイツ、フランスなど計12カ国・地域は、21~25年に総額120億ドルを拠出することも約束した。森林・土地管理の支援や、森林破壊を伴わない農業の振興、森林保護、森林火災防止などに投資する。加えて、民間企業からも最低72億ドルの新規投資を確保することを目指す。
併せて、世界の金融機関30社超はこの日、森林破壊に関わる事業への投資を打ち切ることで合意した。これらの金融機関には、英国の保険大手アビバや資産運用会社シュローダー、フランスの保険大手アクサなどが含まれ、全企業の運用資産を合わせると8兆7,000億ドルに上る。
BBC電子版によると、森林破壊を巡っては、14年にニューヨークで開催された国連気候サミットでも、20年までの森林破壊ペース半減と30年までの森林破壊阻止の目標が打ち出されたものの、効果が見られなかった経緯がある。ただ、この時の署名国は40カ国にとどまり、ブラジルやロシアなど森林面積の大きい国の一部が含まれていなかった。[環境ニュース]
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