英国で欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が実施されてから、23日で5年が経った。ジョンソン首相はこれに合わせて議会で「英国は主権を取り戻す機会を与えられた」と述べ、「こうした自由を活用して、国民により良い将来をもたらすのがわれわれの責務だ」と強調した。ただ、英領北アイルランドの通商問題などでは依然として膠着(こうちゃく)状態が続くほか、国内でも離脱派と残留派の分断が引き続き鮮明となっている。
ジョンソン首相は「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)から回復する中、英国全体を結束させて押し上げるため、取り戻した主権の真の可能性をつかむ」と強調。「規制や補助金を独自に管理し、自由な貿易港として新規投資を呼び込める状態になったことで、全国的にイノベーションや雇用、復興を促進する」とした。
だが、国内ではEU離脱を巡る分裂が続いている。市場調査会社サバンタ・コムレス(Savanta ComRes)が18~20日に英国の成人約2,200人を対象にした最新調査によると、EU離脱を問う国民投票があす行われた場合、残留に投票すると回答した人は51%で、離脱の49%を上回った。2016年の実際の国民投票の結果は、離脱が51.9%、残留が48.1%だった。
また、調査機関NatCenが発表した最新の調査でも、国民投票が再び行われれば、53%が残留に、47%が離脱に投票すると回答している。
一方、北アの通商問題では、現地の労働組合や企業から物品の通関検査の混乱を巡って怒りが噴出しており、ジョンソン首相はEUとの調整を迫られている。
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