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英EU交渉、なお相違大きく 国内市場法案で信頼関係揺らぐ

英国と欧州連合(EU)は10日、将来的な関係を巡る交渉の第8ラウンドを終了した。大きな進展は見られず、EUのバルニエ首席交渉官は「まだ大きな意見の相違が残る」としている。双方が交渉の期限とする10月を目前に、今後も非公式協議が続けられる見通し。ただ、英政府が先にEU離脱協定に反する法案を提出したことで、英・EU間の信頼関係は揺らいでおり、貿易交渉の行方にも影がさしている。

バルニエ氏は今ラウンド終了後の記者会見で「EUが重視する数々の分野で意見の大きな相違が残る」と話した。運輸やエネルギー分野での公正な競争条件(レベル・プレイング・フィールド)の確保や、国家補助ルール、環境や雇用の基準、紛争解決、司法、漁業権などを例として挙げている。

一方、英首相官邸の広報官は、今回の交渉について「予想されたよりも建設的だった」とコメント。ただ「主要分野でEUがより現実的にならない限り、進展はない」としている。

交渉の第9ラウンドは28日にブリュッセルで開始されるが、非公式協議は週明けの14日以降も続けられる見通し。

今回の交渉は8日に開始されたが、9日には英政府が昨年10月にEUと締結した離脱協定の重要部分をほごにする国内市場法案を公表。この中に、離脱協定で定められた英領北アイルランドに関する議定書の一部を無効とする条項が意図的に盛り込まれていたことから、EU側は懸念を表明し、欧州委員会のシェフショビッチ副委員長が英国のゴーブ内閣府担当相との臨時協議のためロンドンを訪れた。

シェフショビッチ氏は臨時協議後に出した声明で、同法案は英・EU間の信頼を深く傷つけたと指摘。これが採択されれば、離脱協定と国際法に対する重大な違反となるとし、英政府が9月末までにこれを撤回しなければ、法的措置も辞さないと最後通牒(つうちょう)を突き付けた。

これに対しゴーブ氏は「シェフショビッチ氏には法案は撤回しないと明確に告げ、同氏もこれを理解した」としている。

同法案を巡っては、英与党・保守党内の議員の間でも英国の信頼に関わるとの懸念の声が高まっており、修正を加える動きもある。同法案についての下院での審議は、14日に開始される。


関連国・地域: 英国EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済政治

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