英国と欧州連合(EU)は2日、将来的な貿易関係の交渉を開始した。ジョンソン英首相の欧州顧問を務めるデービッド・フロスト氏はこの日午後、総勢100人の交渉団を率いてブリュッセル入り。バルニエ首席交渉官率いるEU側の交渉団と、漁業から金融サービスまで10分野の作業部会に分かれて専門的な協議を行う。
作業部会は、製品貿易◇サービス貿易・投資◇運輸(航空)◇エネルギー(民間原子力協力)◇漁業◇オープンで公正な競争のためのレベル・プレイング・フィールド◇法執行・犯罪問題における司法協力◇EUプログラムへの参加◇移動・社会安全保障協力◇テーマ別協力◇水平的アレンジメント・統治――の10分野にわたる。
英国とEUはそれぞれ先に示した交渉方針で、包括的な自由貿易の締結を目指すとしている。ただ、EUが英国の規制緩和により域内企業が競争上、不利になることを恐れ、同国に今後もEU規制との連動を求めているのに対し、主権奪回をEU離脱の主眼とする英国はこれに強く反発している。
英国のEU離脱後の移行期間は12月31日に終了する。この日までに貿易協定が締結されない場合、来年以降の英・EU間の貿易には世界貿易機関(WTO)ルールが適用されることになる。英国は、6月末までに合意のめどが立たなければ、交渉を打ち切り、WTOルールの導入準備に着手するとしている。
今回の交渉は3月5日まで。今後、2~3週間ごとにブリュッセルとロンドンで交互に交渉が行われる。現時点で5月中旬の第5ラウンドまで予定されており、双方が合意した場合に追加ラウンドを実施する。
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