英下院(定数650)は20日、欧州連合(EU)離脱協定法案を賛成358票、反対234票の大差で可決した。ジョンソン首相の公約通り、来年1月31日にEUを離脱し、同年12月31日に移行期間を終わらせる内容。年明けには下院を通過し、上院での承認を経て1月中に成立する見通しだ。
同首相は審議の開始に当たり、英国民に「離脱派」「残留派」のレッテルを捨てるよう呼び掛けるとともに、「新しい議会は一致協力して行き詰まりを打破し、ついにブレグジットを完遂する」と意欲を示した。
同法案は、19日の女王の施政方針演説で政府が提案したもの。同日中に下院での第1読会を無修正で通過し、この日に第2読会での採決を迎えた。先の総選挙で大勝した与党・保守党は、下院で365議席を獲得しており、同法案の可決は確実視されていた。続いて採決が行われた同法案の審議日程案も、353対243の賛成多数で可決された。これを受け、クリスマス休暇明けの来年1月6~8日の3日間に、下院および上院で残りの審議が行われることが決まった。政府は1月末までに同法案を正式に発効させるとしている。
ジョンソン首相は10月にもEU離脱協定法案を提出し、第2読会での承認を獲得したものの、3日間で議論を終えるとする審議日程が否決されたため、審議が頓挫した経緯がある。この時の法案は下院の解散・総選挙に伴い撤回されており、今回採決が行われた法案は内容が一部変更されている。最大の変更点は、英政府が離脱後の移行期間を来年12月31日以降に延期することを禁止した点だが、ほかにも前会期中に野党への譲歩として組み込んだ労働者の権利強化条項が削除されている。
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