選挙戦最終日の11日、与野党の党首は全国各地の激戦区を駆け巡り、有権者に支持を訴えた。ジョンソン首相は朝一番にイングランド北部ヨークシャーを訪れ、「ブレグジットを実現できるのは保守党だけ」と強調。最大野党・労働党のコービン党首はスコットランドのグラスゴーを皮切りに、緊縮財政を終わらせると明言し、「労働党への一票は希望への一票」と訴えた。BBC電子版などが伝えた。
自由民主党のスウィンソン党首はこの日の演説で、同党が議席数を増やせばブレグジットを阻止できる可能性があると強調。下院第3党のスコットランド民族党(SNP)のスタージョン党首は、スコットランド住民が同党に投票すれば与党・保守党の独り勝ちを阻止できると訴えた。
今回の選挙では、ブレグジットを巡り保守党が来年1月末の欧州連合(EU)離脱を目指す一方、労働党が2度目の国民投票を公約している。また、ブレグジット後の経済や貿易を巡っても、両党が対極的な政策を示しており、有権者は12日の総選挙で重大な選択を迫られることになる。
一方、EU残留派の有権者の間では「戦術的投票」の動きも加速している。ブレグジットの阻止に向け、支持政党に関わりなく2度目の国民投票を支持する政党の候補者の中から、各選挙区で最も有望な候補者に票を集中させる取り組みで、専用のウェブサイトも複数設置されている。この結果、ラーブ外相やビリヤーズ環境・食糧・農村地域担当閣外相、ダンカンスミス元党首など、EU残留派が多い選挙区の保守党離脱派候補が、野党候補に負ける可能性も高まっている。
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