12月12日に総選挙が迫る中、与党・保守党を率いるジョンソン首相と最大野党・労働党のコービン党首は6日、公共放送BBCのテレビ番組で、今選挙戦で最後となる直接討論に臨んだ。最大の争点である欧州連合(EU)離脱や国民医療制度(NHS)の立て直しに加え、先のロンドンでのテロ事件を受けた治安対策や北アイルランド問題を巡り議論が交わされた。ただ、いずれも党の公式見解から大きく踏み出すことはなく、世論に大きな影響を及ぼすには至らなかったようだ。
ジョンソン首相は自らがEUと合意した「素晴らしい」離脱協定によって、1月末にブレグジットを実現させると約束。労働党が政権に就けば、英国は今後1年以上にわたりブレグジット問題から抜け出せないと訴えた。これに対し、コービン党首は選挙後3カ月以内にEUと新たな離脱協定で合意し、6カ月以内に2度目の国民投票を実施すると強調した。
ジョンソン首相のブレグジット方針を巡っては、移行期間中にEUと貿易協定で合意できなければ、2021年1月に合意がないまま離脱する可能性が残されていると司会者が指摘する一幕もあった。またコービン氏は、先に政府から流出した文書で、北アイルランドと英本土の間で一定の通関検査を行う計画が発覚したことに言及し、北アイルランドの民主統一党(DUP)との約束と異なると批判した。
スカイニュースによると、インターネット調査会社ユーガブ(YouGov)が番組終了直後に実施した世論調査では、有権者の52%がジョンソン首相に、48%がコービン党首に軍配を挙げた。討論前の各種世論調査でも一貫して保守党がリードしていることから、大勢に影響はなかったとの見方が強い。
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