総選挙が1週間後に迫った5日、ジョンソン首相は、与党・保守党が過半数議席を獲得して政権に就けば、選挙後100日以内に英国の欧州連合(EU)離脱を実現させるとともに、減税や学校および国民医療制度(NHS)への投資を含む予算を策定すると公約した。
同首相は、選挙から100日後の3月22日までに、英議会で離脱法案の承認を獲得し、ブレグジットを実現させると約束。また、早ければ12月19日にも女王の施政方針演説を行い、2月にはブレグジット後の予算案を成立させるとしている。これに伴い、国民保険料の支払い義務が発生する最低所得額を2020年から9,500ポンドに引き上げる案や、2023年までにNHSに年間339億ポンドの追加投資を行う案など、すでに発表済みの公約を法制化する。
ジョンソン首相は、「保守党が過半数議席を獲得できなければハング・パーラメント(宙ぶらりん議会)となり、スコットランド民族党(SNP)に支えられた労働党のコービン政権誕生という悪夢が現実になる」と予想。そうなれば、議会はブレグジットを巡る2度目の国民投票やスコットランド独立を巡る住民投票の議論に支配され、企業や国民は将来の計画を立てられないままになると警告した。
これに対し、最大野党・労働党は「過去9年半の保守党政権は、凶悪犯罪の増加や子供の貧困、NHS病院の待ち時間延長や人手不足などを招き、失敗の連続だった」とし、保守党が政権に就けば同じことの繰り返しになると反論している。
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