12月12日に実施される下院(定数650)選挙で、ジョンソン首相率いる与党・保守党が絶対多数の359議席を確保する可能性が出てきた。選挙前の317議席から42議席を上積みし、過去30年超で最大の勝利を収めるとの予測だ。インターネット調査会社ユーガブ(YouGov)が最新の調査結果を明らかにした。
ユーガブは精度が高いとされるMRP方式という予測モデルを用いて、11月19~26日にかけて約10万人の有権者を対象に調査を実施。イングランド、ウエールズ、スコットランドの選挙区ごとにモデル化して調べた。それによると、最大野党・労働党は211議席と大きく51議席減らし、戦後最大の敗北を喫する見込み。スコットランド民族党(SNP)は43議席と8議席伸ばし、自由民主党は1議席しか増やせず13議席にとどまると予想している。一方で、ブレグジット党は議席を確保できない見通し。
ユーガブは、今回の調査モデルを2017年の前回選挙時にも使用し、保守党の過半数割れを当てていた。次回総選挙では結果の変動を考慮した場合、保守党の獲得議席は328から385議席の間になるという。いずれにしても過半数議席を確保するが、僅差となるか地滑り的大勝となるかは不透明だ。
ジョンソン首相は先に、保守党のマニフェストを公表。欧州連合(EU)離脱協定法案(WAB)の審議をクリスマス休暇前に開始し、「ブレグジットを達成して新たな英国を生み出す」と宣言している。同首相は10月の選挙キャンペーン開始以来、各世論調査会社の支持率調査で、労働党のコービン党首に大きく差を付けてトップを維持。ユーガブの今回の調査では、EU離脱の是非を問う2016年の国民投票時に離脱派が勝ったイングランド北部やウエストミッドランズの都市部、イーストミッドランズの炭鉱地域などで、保守党が勝利する可能性が高いとの結果が出ている。
スコットランドに限ると、SNPが労働党から5議席、保守党から2議席、自民党から1議席をそれぞれ獲得するとみられ、英国からの独立を巡る住民投票の再度実施を訴えるスタージョン党首にとっては追い風になると予想されている。
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