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下院、3日間の審議日程否決 離脱協定法案が第2読会通過も

英下院(定数650)は22日、ジョンソン首相が欧州連合(EU)と合意した離脱協定修正案を国内法化するための離脱協定法案(WAB)の審議を開始した。最初の採決となる第2読会では、法案の審議を続けることが賛成多数で可決されたものの、審議日程を3日間とする政府動議は否決された。これは10月31日のEU離脱実現が遠のいたことを意味し、ジョンソン首相は、合意なき離脱への準備を加速させるとともに、EUが離脱延期要請にどう返答するかを待つ間、法案の審議を停止するとした。

第2読会では同法案の審議を続けることが賛成329票、反対299票の30票差で支持されたものの、審議日程の動議は反対322票、賛成308票の反対多数で否決された。この動議はEU離脱を急ぐ政府が法案と合わせて提出していたもので、下院での審議を3日間で終える内容だった。ジョンソン首相は、審議日程に関する動議が否決され、EUが離脱延期を認めた場合は、選挙の実施を目指す方針を示していたが、実際に選挙に言及することはなかった。

ジョンソン首相は投票結果を受けて「残念だ」とした上で、「いずれにせよ、われわれは下院が今まさに承認を与えたこの協定案とともにEUを離脱する」と強調。依然として10月31日での離脱を目指す方針に変わりはないと繰り返した。

本文だけで110ページに及ぶ重要法案のスピード審議には反発する議員が多く、審議日程の動議は否決が見込まれていた。審議日程が長期化すれば、離脱延期を余儀なくされるだけでなく、WABに対する様々な修正動議が提出され、WABがEUとの合意からかけ離れた内容になる可能性もあった。

下院は19日、同首相とEUが合意した離脱協定の修正案の承認を、離脱関連の国内法が成立するまで保留する案を可決。これを受け、ジョンソン首相はやむなくEUに離脱延期を要請する書簡を送付。21日夜にWABの文面を公表したばかりだった。

EUのトゥスク大統領は、欧州議会での演説で、英国から離脱延期を求める書簡を受け取ったことを受け、「加盟各国首脳と対応を協議中」と説明。英下院の動向を見守った上で、近日中に結論を下す方針を示していた。また、合意なき離脱はEUの選択肢にないとも言及している。


関連国・地域: 英国EU
関連業種: 政治

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