欧州連合(EU)のバルニエ首席交渉官は15日、10月17日のEU首脳会議(サミット)までにブレグジットを巡る合意を成立させることは極めて難しいものの、依然として可能との考えを示した。ただ、サミットで加盟各国から承認を得るためには、15日深夜までに英・EU間で合意が成立する必要があるとしている。
10月31日に離脱期限が迫る中、英・EU間の交渉はここ数日、正念場を迎えており、14日の協議は12時間に及んだ。バルニエ氏は15日に開かれたEU一般理事会で、対英交渉の現状について加盟各国閣僚に説明。その後の記者会見で「合意に至る道は細い」とコメントした。
英・EU間の交渉内容は明らかにされていないが、英紙ガーディアンによると、EUは英領北アイルランドとアイルランドの間の厳格な国境検査を避けるため、北アイルランドをEUの単一市場と関税同盟に残すよう求めている。バルニエ氏は英国に対し、17日のサミットで合意の承認を得るためには、15日深夜までにこれを受け入れる決断をする必要があると宣告したという。同氏はこの結果を踏まえて、対英交渉を今後も続けるかどうかを16日に発表する方針という。
一方、アイルランドのバラッカー首相はこの日の記者会見で、「交渉は正しい方向に進んでいる」とコメントした。ただ、両者間の隔たりは「依然としてかなり大きい」ため、EUサミットまでに合意が成立するかどうかは「不透明」との見方を示している。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。