ジョンソン英首相は1日、公共放送BBCのラジオインタビューで、欧州連合(EU)離脱後のアイルランド国境問題の解決策である「バックストップ(安全策)」の代替案を近々、EUに正式提案する方針を示した。詳細は明らかにしていないが、英領北アイルランドとアイルランドとの間で何らかの通関検査を行う一方、家畜や農畜産物については検査を免除する可能性も示唆している。
同首相は、EU離脱後にアイルランド島内で通関検査の必要性が生じるのがブレグジットの「現実だ」とコメント。「主権国家は単一の関税領域を有するべき」との考えを示した。ただ、アイルランド国境を超える通商の大部分を占める家畜や農畜産物については島内の「単一領域」を受け入れる可能性を示した。「検疫ルールはEUが決めることになり、英国に発言権はなくなる」とし、「英政府にとっては大きな譲歩だ」と話した。
英国とアイルランドの一部メディアはこの日未明以降、英政府がアイルランド国境から8~16キロ離れた場所に一連の通関所を置く案を検討中と報じていたが、同首相はこの日朝のBBCのテレビインタビューでこれを否定。「それは古い案で、EUに提出する予定の案ではない」としている。この案を巡っては、アイルランドのコーブニー副首相兼外務・貿易相が「話にならない」と否定的な見方を示していた。
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