英国のバークレイ欧州連合(EU)離脱担当相は27日、ブリュッセルでEUのバルニエ首席交渉官と再び会談した。アイルランド国境問題の解決策である「バックストップ(安全策)」の代替案について協議したが、進展は見られなかった。
ジョンソン英首相はかねて、メイ前首相がEUと合意した離脱協定から、アイルランドと英領北アイルランドの間の国境管理を避けるための「バックストップ」を取り除くよう求めている。これに対しEUは、具体的な代替案を示すよう英国に再三、求めている。
欧州委員会は会談後の声明で「離脱協定には、アイルランド島での厳格な国境管理を避け、同島全体の経済と欧州単一市場の保全性を守る完全に運用可能な解決策を含めることが必須」とあらためて強調した。一方、バークレイ氏は会談後に「まだ道のりは長い」とコメント。「交渉は山場を迎えつつある」とした上で、双方が善意で臨めば合意の成立は可能と話した。
BBC電子版によると、EU加盟各国の間では、合意成立はほぼ不可能で離脱期限の再延期は避けられないとの見方が広がりつつある。ジョンソン首相は先に成立した法律により、10月19日までにEUから合意を取り付け、議会の承認を得られなければ、離脱期限を来年1月31日まで延期するようEUに要請することを義務付けられた。しかし、同首相は合意の有無にかかわらずあくまで10月31日にEUを離脱する姿勢を維持している。このためEUは、延期を求める英議会と、これを拒否するジョンソン首相の板挟みになる事態も想定し、すでに対策を講じる動きもあるという。
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