ウルズラ・フォンデアライエン次期欧州委員長は10日、欧州委員会の新名簿を発表した。新委員27人のうち13人は女性が占め、フォンデアライエン氏の公約通り、男女均等が実現されている。
現競争政策担当委員として米テクノロジー大手に数々の制裁を科してきたマルグレーテ・ベステアー氏(デンマーク)は、新設の上級副委員長とデジタル関連・競争政策担当委員を兼任。ブレグジット後の対英貿易交渉を担う通商担当委員には、現農業・農村開発担当委員のフィル・ホーガン氏(アイルランド)が就任する。
加盟各国の財政の審査に深く関わる経済担当委員には、イタリアのジェンティローニ前首相が抜てきされた。一方、フランスのグラール元国防相は、域内市場・防衛・宇宙産業担当委員としてEUの産業政策を手掛ける。ベルギーのレンデルス元副首相兼外務・欧州問題相は司法担当委員として、また現司法・消費者・男女平等担当委員のべラ・ヨウロバー氏(チェコ)は、副委員長兼価値・透明性担当委員として、コンプライアンス(法令順守)を監督する。
フォンデアライエン氏は今回、ベステアー氏と、現在、第1副委員長と規制・組織関係・基本権担当委員を兼任するフランス・ティメルマンス氏(オランダ)、現副委員長兼ユーロ・社会的対話・金融安定担当委員のバルディス・ドムブロフスキス氏(ラトビア)の3人を上級副委員長に起用。加えて、スペインのジョセップ・ボレル前外務兼欧州協力相ら5人を副委員長に指名した。ボレル氏は、副委員長と外交安全保障上級代表を兼務する。
欧州委員会は5月の欧州議会選挙を受け、全委員が交代する。欧州連合(EU)加盟28カ国が1人ずつ候補を選出し、欧州議会の承認を得た上で、11月に新メンバーが就任する。英国は10月31日にEUを離脱する予定のため、委員を推薦していないが、フォンデアライエン氏は、離脱が延期されれば委員を輩出する必要があるとしている。
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