ジョンソン首相は8月29日、欧州連合(EU)との離脱交渉を加速させる方針を明らかにした。離脱期限が約2カ月後の10月31日に迫る中、合意の達成に向け週2回のペースで協議を行う。BBC電子版が伝えた。
英国のデービッド・フロスト首席交渉官は28日、ブリュッセルを訪れ、交渉の頻度を週2回に増やすことで合意した。同首相はこれについて、「ここ数週間のEU首脳との協議から、非民主的なバックストップ(安全策)に代わる措置について交渉する意欲を感じられた」とした上で、「今こそ双方が交渉のテンポを引き上げる必要がある」と話した。
EUは10月17日に首脳会議(サミット)を開く予定のため、この日までに交渉がまとまらなければ合意に基づく離脱は困難になる。ジョンソン首相はかねて、合意の有無にかかわらず10月31日にEUを離脱する決意を示している。
同首相は先に、9月9日の週に議会の今会期を終了する異例の措置をとった。遅くとも9月12日までにエリザベス女王が閉会を宣言する見通しで、10月14日に新会期が始まるまで一切の審議が停止され、通過していない法案は原則として廃案となる。野党各党は、合意なき離脱の阻止に向けた法案成立に一致協力して取り組む方針を示しているが、このための審議に費やせる時間は、議会の夏季休暇が明ける9月3日から閉会宣言までのわずか数日間に限られている。
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