最大野党・労働党のコービン党首は27日、野党各党の首脳と協議し、合意なき欧州連合(EU)離脱の阻止に向け一致協力することで合意した。ジョンソン内閣に対する不信任案の提出も選択肢として残すものの、まずは合意なき離脱の阻止に向けた法案の成立に注力する方針を打ち出している。BBC電子版が伝えた。
協議はコービン党首が呼び掛けたもので、スコットランド民族党(SNP)の代表と自由民主党、ウェールズ民族党、緑の党、チェンジUKの各党首が参加。また、合意なき離脱に反対する与党・保守党議員5人も招待されていたが、いずれも参加しなかった。
コービン党首はこの協議に先立ち、合意なき離脱の阻止に向けた暫定政権を樹立し、EUに離脱延期を要請する案を各党に提示。内閣の不信任案をできるだけ早期に提出し、これが可決されれば自らが暫定政権を率いるとしていたが、コービン政権の樹立には自由民主党や保守党の議員らが強く反対していた。
コービン党首は、この日の協議ではこうした状況を踏まえ、時期尚早な内閣不信任案の提出は行わないと約束。合意なき離脱に向けた法案の策定を優先する姿勢を示し、各党もこれに同意した。自由民主党のスウィンソン党首は協議後、「不信任案は最後の手段で、立法による合意なき離脱の阻止が主眼」とコメント。SNPの下院議員を率いるイアン・ブラッドフォード議員は協議について「前向きで建設的だった」と話している。
ガーディアンによると、この日の協議ではほかに、先に報じられた合意なき離脱への準備不足を示す内閣府の内部文書を公表するよう政府に求めることや、ジョンソン首相が合意なき離脱を断行するため議会の休会に踏み切った場合、これを阻止する手立てを取ることでも合意した。また、9月下旬から開かれる各党の党大会に向けた議会の定例休会を今年は返上することも検討されたが、結論は出なかった。
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