中銀のドイツ連邦銀行は19日発表した月報の中で、ドイツ経済は第3四半期(7~9月)にマイナス成長となり、リセッション(景気後退)に陥る可能性があるとの見方を示した。輸出の落ち込みや製造業生産の低迷などが押し下げ要因になるとしている。
ドイツの第2四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.1%減。米中貿易紛争に絡み輸出向け製造業部門が不振で、第1四半期の0.4%増からマイナスに転落した。連銀は、ドイツ経済の低迷は第3四半期も続く上、下落基調で推移する可能性もあると指摘。製造関連の企業の間で景況感が大きく落ち込んでいるほか、受注が大幅に減っていることが背景にある。
ドイツ経済は、自動車業界の伸び悩み、輸出に依存する製造業に影響を及ぼす貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明感により、逆風にさらされている。第2四半期のGDPは家計最終消費支出と政府最終消費支出が拡大したことが一部補ったものの、連銀はこの効果がいつまで続くかはわからないとしている。
また、経済の成長鈍化は雇用にも影響を及ぼし始めており、第2四半期の雇用の伸びと賃金上昇はいずれも大きく減速したと分析。サービス業でも景況感が下がった一方、建設業の好調ぶりは今後も続き、経済を下支えするとみている。
ドイツ銀行はこの日、今年のドイツのGDP成長率が0.3%、来年は0.7%にとどまるとの予測を発表。いずれも前回見通しから下方修正した。ショルツ財務相は18日、2008~2009年の世界金融危機時には、その対応に500億ユーロが投じられたと説明した上で、将来的に同様の金融危機が訪れた場合にも、ドイツの財政基盤はそれに対応できる堅強さがあると強調した。
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