英最大野党・労働党のコービン党首は、合意なき欧州連合(EU)離脱の阻止に向け、近く他党の首脳と協議する方針だ。同党のナンバー2であるマクドネル影の財務相が19日、公共放送BBCのテレビ番組で明らかにした。
コービン党首は先に、合意なき離脱を阻止するため野党連合による暫定政権を樹立し、期間限定で自らが首相に就任する案を打ち出した。EU離脱を延期した上で議会を解散し、総選挙を実施する方針で、これに向け議会の再開直後にジョンソン内閣の不信任案を提出するとしている。
議会は9月3日に再開される予定だが、「国家の緊急事態」を理由に100人以上の下院議員が再開時期の繰り上げを求めている。マクドネル氏はこの日、「この問題について十分な議論を行うためには、下院を早期に再招集する必要がある」として、こうした動きへの支持を表明した。
一方、コービン党首はこの日の演説で、 合意なき離脱を阻止するために「必要なあらゆる措置」を講じると強調。与党・保守党は英国の期待を裏切ったと批判し、総選挙は「この国に必要な方向性の転換」となると訴えた。
保守党の下院での議席数は、閣外協力するアイルランドの民主統一党(DUP)を加えてもわずか1議席での過半数にすぎない。しかも、合意なき離脱に反対する一部の保守党議員は、内閣不信任案を支持することを検討している。ただ、暫定政権をコービン氏が率いることには一部の政党や議員が強い抵抗を示している。
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