ジョンソン英首相がブレグジット実現のために議会を休会することの合法性と合憲性を問う訴訟が13日、スコットランドの民事控訴院で始まった。欧州連合(EU)残留派議員などから成る超党派のグループが合意なき離脱を阻止すべく起こしたもの。イングランドの裁判所が夏季休暇に入っているため、スコットランドで提訴した。BBC電子版などが伝えた。
訴訟に参加しているのは、野党・自由民主党のジョー・スウィンソン党首やスコットランド国民党(SNP)のジョアンナ・チェリー議員など75人のほか、離脱反対キャンペーン団体「グッド・ロー・プロジェクト」などで、議会の休会は「違法であり憲法に反する」と訴えている。
ドハーティ裁判官は、9月6日に審問を行うことを決定。原告側弁護士は、同訴訟はスコットランドの司法システムを通過した上で、最終的に連合王国最高裁判所が判決を下すべきと主張。ただ、EU離脱期限である10月31日を前に時間切れになることを懸念して、下級裁判所に当たる民事控訴院の外院での審問を省略しプロセスを迅速化するよう求めた。しかしドハーティ裁判官は、外院を経なければ上級裁判所の内院には進めないとして、この要求を拒否した。
ジョンソン首相はかねて、合意の有無にかかわらず10月31日にEUを離脱する公約を掲げており、議会が反対した場合に休会に持ち込む可能性も否定していない。なお、世論調査会社コムレス(ComRes)が先に行った調査によると、「ジョンソン首相は、議会の休会も含め、あらゆる策を講じてブレグジットを実現すべき」と回答したのは54%に上った。
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