ウェールズ東部のブレコン・ラドナーシャー選挙区で1日、下院補欠選挙(改選数1)が行われ、欧州連合(EU)残留派の自由民主党のジェーン・ドッズ氏が得票率43.5%で勝利した。与党・保守党のジョンソン首相は、就任後初の国政選挙で黒星がついた。BBC電子版が伝えた。
今回の補欠選挙は、同選挙区の議員だった保守党のクリス・デイビーズ氏による虚偽の会計報告が発端。英国では2016年3月、不信任の署名が一定数集まった議員の資格を剥奪する新法が導入されており、デイビーズ氏に対する不信任署名は同選挙区有権者の19%に相当する1万5票と、補欠選挙実施に必要な10%を大きく上回っていた。
補欠選挙には6人が出馬。デイビーズ氏も再起を賭けて出馬したが、得票率は39%と一歩届かなかった。ナイジェル・ファラージ氏が率いる新党「ブレグジット党」の候補者は10.5%、最大野党・労働党の候補者は5.3%にとどまった。投票率は59.6%と、前回2017年の74.6%を大きく下回った。
保守党が下院の1議席を失ったことで、保守党と同党に閣外協力する北アイルランドの民主統一党(DUP)の議席数は計320議席と、反対派野党を1議席上回るのみとなっている。ジョンソン首相が厳しい議会運営を迫られるのは必至で、自民党のスウィンソン党首は「ジョンソン首相の議席の縮小は、同首相に合意なき離脱を強要する権利はないことを明確に示した」とコメントした。
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