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EU、バックストップは維持 ジョンソン首相の撤回案を一蹴

英国のジョンソン新首相は25日、下院で就任後初の演説を行い、ブレグジット交渉の方針を打ち出した。欧州連合(EU)との離脱協定を巡り合意に至るためには、バックストップ(安全策)条項を撤回する必要があるとの考えを示した。EUのバルニエ首席交渉官はこれに対し「受け入れられない」と一蹴している。

メイ前政権がEUと合意した離脱協定には、移行期間内に英国とEUが貿易協定で合意できない場合、アイルランドと英領北アイルランドの間の国境検査を避けるため、英国全体が関税同盟にとどまるバックストップが盛り込まれている。ジョンソン首相はこれについて、「独立と自尊を重んじる国が、このように経済的独立と自治を譲り渡す協定に合意することはあり得ない」と強調。「バックストップに期限を設定するだけでは不十分」との考えを示し、「合意を目指すなら、バックストップを廃止するしかない」と訴えた。

タイムズによると、バルニエ首席交渉官はこれを受け、英国を除く加盟27カ国に書簡を送付。この中で、バックストップ撤回案は「もちろん受け入れられず、欧州理事会から託された交渉方針にも反する」と強く拒否。同首相の演説を「かなり戦闘的」とした上で、「ジョンソン首相は優先的に合意なき離脱の計画を進めており、われわれもこの事態に備える必要がある」と指摘した。ただ、同首相の演説に多くの下院議員から強い抗議の声が上がっていたことにも言及し、「今後の英国内の政治・経済的な反応や展開を注視しつつ、冷静さを保つべき」と呼び掛けた。

また、アイルランドのバラッカー首相はこの日の記者会見で、「バックストップがなければ、離脱協定も移行期間もなく、これらの問題が解決するまで自由貿易協定もない」と強調している。


関連国・地域: 英国EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済政治

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