ジョンソン新首相は就任から一夜明けた25日も、組閣作業に取り組んだ。合意なき離脱に反対し、かねて辞意を表明していたフィリップ・ハモンド財務相らメイ前政権の主要閣僚による辞任が相次いだことで、顔ぶれはメイ前内閣から大幅に刷新。欧州連合(EU)離脱派を主要ポストに抜てきする一方、2016年の国民投票で残留派だった議員が半数超を占めている。
ジョンソン首相は財務相の後任として、党首選敗退後にジョンソン氏の支持に回ったサジド・ジャビド前内相を指名。アジア系議員が内相ポストに就くのは初となる。その後任の新内相には、EU離脱派のプリティ・パテル元国際開発相が就任。パテル氏は国際開発相時代にイスラエルとの癒着疑惑が明るみに出て辞任しており、今回の人事で閣僚に返り咲きを果たした格好だ。国民投票の前からEU離脱を唱えていたドミニク・ラーブ前EU離脱担当相は外相に抜てきされ、筆頭国務相も兼任する。EU離脱に向けては、スティーブン・バークレイEU離脱担当相が留任した。
国防相には、残留派のベン・ウォレス前治安担当閣外相が就く。国際貿易相には、国民投票後に強硬離脱派に転身したエリザベス・トラス前財務副大臣を起用した。党首選で善戦したマイケル・ゴーブ前環境・食料・農村相は、ランカスター公領相に充てられたが、ジョンソン氏と共に最終候補に残ったジェレミー・ハント前外相は閣僚就任の打診を断った。強硬離脱派として知られるジェイコブ・リースモグ氏は下院院内総務に就任した。
ジョンソン首相による今回の閣僚人事では、33のポストのうち女性が8人を占めた。閣僚経験が最も長いのはゴーブ氏で6年以上となり、新たに閣僚に起用されたのは8人。なおジョンソン首相の弟であるジョー・ジョンソン氏は、ビジネス・エネルギー・産業戦略担当閣外相に任命されている。
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