英国の与党・保守党は23日、党首選でボリス・ジョンソン前外相が選出されたと発表した。党員投票での得票数は9万2,153票で、対抗馬のジェレミー・ハント外相の4万6,656票を大きく上回った。ジョンソン氏は党首選が始まって以降、常に首位に立ち続け、他候補を寄せ付けない圧倒的な強さを見せつけた。24日午後にメイ首相に代わって新首相に就任する。BBC電子版が伝えた。
ジョンソン氏は党首選の勝利が決まった後の演説で、「ブレグジットの実現と、国の団結、最大野党・労働党のコービン党首の打倒」を約束。10月31日の欧州連合(EU)離脱期限を守る決意をあらためて示し、「やればできるという新たな精神で、ブレグジットがもたらすあらゆる機会を生かす」と抱負を語った。
メイ首相は同氏の当選を祝福し、「閣外から全面的に支持する」と約束。一方、落選したハント外相は「大変残念」とした上で、ジョンソン氏の「自国に対する全面的かつ揺るぎない自信」は、困難な現状で重要な資質となるとの見方を示した。
国外からは、トランプ米大統領が「彼は素晴らしい首相になるだろう」とコメント。一方、EUのバルニエ首席交渉官は、「離脱協定の批准と秩序あるブレグジットの実現」に向け、ジョンソン氏と協力するのを楽しみにしていると述べた。ただ、ジョンソン氏はかねて、メイ首相がEUと合意し、英下院で3度にわたり否決された離脱協定について、既に「廃案」との見方を示している。
党首選は約16万人の一般党員に投票資格が与えられ、投票率は87.4%だった。ジョンソン氏の得票率は66.4%と、キャメロン前首相が2005年の党首選で獲得した67.6%を下回った。2016年の党首選では、メイ首相が全対立候補の辞退を受け、党員投票を経ずに選出されていた。
メイ首相は24日、下院で最後の首相質疑を行った後、バッキンガム宮殿を訪れ、エリザベス女王に辞意を伝える。その後、ジョンソン氏が同宮殿を訪れ、女王が正式に同氏を首相に任命する。
なお、現内閣では同氏の首相就任には反発する閣僚も多く、この日にはミルトン教育相が党首選の最終結果を待たずに辞表を提出。先にはアラン・ダンカン外務閣外相も辞任したほか、ハモンド財務相やゴーク法相、スチュワート国際開発相の辞任も予想されている。
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