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合意なき離脱なら景気後退も 英予算責任局が報告書で指摘

英国が欧州連合(EU)を合意なしに離脱した場合、国内経済は来年末までにリセッション(景気後退)に突入し、国内総生産(GDP)は2%縮小する――。財政方針の基軸となる経済予測を行う予算責任局(OBR)は、隔年で公表する財務リスク報告書の中で、こうした見通しを示した。

OBRは同報告書で、国際通貨基金(IMF)が4月に発表した世界経済見通しで用いた、合意なき離脱のシナリオに基づき予測。公的債務については、来年以降に年間300億ポンド増加し、2024年までに対GDP比で12%に達すると予想している。

OBRのチョート局長は「不透明感の高まりと景況感の低下により投資が抑えられ、EUとの貿易障壁の拡大が内外の需要を圧迫する」と指摘。これにより国内経済はリセッションに入り、資産の価格とポンドが急落するとしている。

OBRは今回示した予想について、必ずしも最も可能性が高いものではないとしつつも、決して最悪のシナリオというわけでもないと述べている。ただ英中銀イングランド銀行や財務省の見通しに比べれば、やや緩やかなものとなっている。中銀は先に、合意なき離脱ならGDPが8%縮小する可能性もあると指摘。一方、財務省は、2035年までに国内経済に900億ポンド規模の打撃を与えるとの予想を示していた。


関連国・地域: 英国EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済政治

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