英最大野党・労働党のコービン党首は9日、与党・保守党の欧州連合(EU)離脱方針を巡る2度目の国民投票の実施を要求する方針を示すとともに、こうした投票が実現すれば、EU残留を支持すると明言した。
労働党はかねて、国民投票実施を条件付きで支持していたが、EU残留支持の姿勢を打ち出すのは今回が初めて。ただ、労働党が政権を奪取した場合にも国民投票を実施するかどうかについては、明言を避けている。
コービン党首は党員向けの公開書簡で、次期首相は「EU離脱の合意内容または合意なき離脱の是非を国民投票で問うべき」と強調。「その場合、労働党は合意なき離脱や経済や雇用を守らない保守党の合意よりもEU残留を支持する」と明らかにした。また、この日の公共放送BBCのインタビューでは、7月中に下院で国民投票の実施を求め、夏季休暇で時間切れとなれば、9月に再度試みる方針を示した。
同党首は先に各労働組合の指導者とこの問題について協議した上で、今回の方針を打ち出した。ただ労組は、総選挙が行われて労働党が政権に就いた場合にも、同党の離脱方針の是非を国民投票で問うよう求めている。コービン党首はこの意向に沿うかどうかについては、「時期尚早」と言及するにとどめている。
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