主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が28日、大阪で開幕する。G20メンバーに加え、招待国の首脳など計37の国や国際機関が参加し、2日間の日程で経済分野を中心に協議する。開催時には併せて、メイ英首相やトランプ米大統領がプーチン露大統領と会談するなど、各国首脳による二国間協議も盛んに行われる予定だ。
サミットでは、世界経済のほか、気候変動や貿易、テロなどが議題となる見込み。PA通信によると、メイ首相はテロ組織によるインターネットを介したプロパガンダや情報の拡散を阻止するための対策を呼び掛けるほか、各国首脳に温暖化対策を強化するよう要請するとみられる。また、議題には挙がっていないものの、イラン核合意の脆弱(ぜいじゃく)性や同国の湾岸地域における活動なども話題に上るもよう。
ロイター通信によると、メイ首相とプーチン大統領の会談では、英国で昨年3月に発生した神経剤「ノビチョク(Novichok)」による元ロシア情報員とその娘の暗殺未遂事件が議題となる見通し。ロシアは両国間の関係修復を図るもようだが、英国は自国の立場を明確にするのみと主張している。イタルタス通信によると、トランプ大統領とプーチン大統領の会談は約1時間にわたる見込みの一方、ロシアの大統領府広報官は内容は両氏が決めると発言するにとどめている。なお、安倍首相もサミット終了後にプーチン大統領と、平和条約締結に向けた交渉を進めるための会談を開く方針だ。
■日本食輸入規制を緩和も
欧州連合(EU)は、2011年の東日本大震災を発端とした日本産食品などの輸入規制について、これを緩和する可能性を示唆しているもようだ。安倍首相がG20に先駆けてEUのトゥスク大統領およびユンケル欧州委員長と会談した際に、提案があったという。西村康稔内閣官房副長官が、自身のツイッター上で明らかにした。
西村氏は「ユンケル委員長は日本産食品の輸入規制について、岩手・栃木・千葉県の全品目、福島県の大豆、宮城県の水産物、一部の地域のキノコなどの規制のさらなる緩和を提案。秋以降の決定に向けEU加盟国が検討」とツイート。早期完全撤廃を期待するとした。
また、河野外相はサミットに先駆けて英公共放送BBCが行ったインタビューで、英国の合意なきEU離脱の可能性について「強く懸念している」とコメント。在英日本企業約1,000社は合意なき離脱による悪影響を憂慮しているとし、次期首相候補のジョンソン前外相、ハント外相に対し合意なき離脱を避けるよう要請しているとした。
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