メイ首相の後任となる与党・保守党の次期党首選挙の第3回投票が19日に行われ、候補者5人のうちジョンソン前外相が143票と、前回からさらに支持を伸ばして圧勝した。首相に選出される可能性が一段と高まった格好だ。一方、得票数が最も少なかったスチュワート国際開発相は脱落した。BBC電子版などが伝えた。
ジョンソン氏は、2位のハント外相(54票)を今回も大差で引き離した。3位はゴーブ環境・食料・農村相で51票を獲得。ジャビド内相は38票だった。一方、今回の投票では票数が最も少ない候補者が除外されるため、スチュワート国際開発相(27票)が戦列を外れた。
今回の投票には保守党の下院議員313人全員が参加。18日に行われた第2回投票で脱落したラーブ前EU離脱相、先に選挙戦から撤退したハンコック保健相、第1回投票で脱落したレッドソム前下院院内総務は、いずれもジョンソン氏の支持に回っている。
第3回投票に先立ち、18日夜にはテレビチャンネルBBC1のテレビ討論が実施された。ジョンソン氏は、民放チャンネル4で先に行われた討論会を欠席して批判を浴びたが、今回のテレビ討論には出席。主な争点である欧州連合(EU)離脱の方針を巡り、「10月31日までに離脱しなければ、政治への信頼が壊滅的に失われる」と述べ、合意の有無にかかわらず期限内にブレグジットを実現するとあらためて表明した。
一方、ハント外相とゴーブ環境・食料・農村相は共に、さらなる時間も必要との見方を示している。第2回投票で支持を2倍近くに伸ばしたスチュワート国際開発相は、メイ首相の離脱方針を推進。「損失が大きく不必要」な合意なき離脱は許容できないとした上で、他の候補者はこれをどのように実現するかについて説明が不足していると指摘した。なお、英国が期限日までにEUを離脱すると保障できるかとのBBCの質問に対しては、5人全員が回答を控えた。
なお、第2回投票ではジョンソン氏が126票と首位を独走。これにハント外相(46票)、ゴーブ環境・食料・農村相(41票)、スチュワート国際開発相(37票)、ジャビド内相(33票)が続いた。今後は、候補者が2人に絞りこまれるまで同様の投票を繰り返した上で、22日から一般党員約16万人による投票を実施する。結果は7月22~26日に発表される予定。
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