メイ首相の後任となる与党・保守党の次期党首選挙の候補者5人が16日、民放チャンネル4でテレビ討論を行った。ただ、先の第1回投票を1位で通過したジョンソン前外相は出席を拒否。同氏用の演壇は空席のまま、ハント外相やゴーブ環境・食料・農村相らが欧州連合(EU)との離脱協定を巡る再交渉の可能性や、合意なきEU離脱の是非などについて議論を交わした。
討論会に出席したのは、ハント、ゴーブ両氏と、ラーブ前EU離脱相、ジャビド内相、スチュワート国際開発相。議論はブレグジット問題にほぼ集中し、中でも合意なき離脱に下院が反対した場合に議会を閉鎖してでも10月31日のブレグジットを実現するべきかどうかを巡っては、激論が交わされた。ラーブ氏は交渉上、強い立場を維持するためにはこうした選択肢も残す必要があると主張。これに対し、スチュワート氏はこうした手法は「極めて不穏」と批判し、ジャビド氏も「民主主義の実現のために民主主義をないがしろにしてはならない」と強く批判した。
合意なき離脱の是非については、スチュワート氏のみが「完全にナンセンスで、英経済に深刻な損害を与える」と完全否定。他の候補は、合意なしの選択肢も完全には排除しないとしている。
ジョンソン氏の欠席を巡っては、具体的なブレグジット方針の追及を避けるために討論会参加を避けたとの見方もある。これについてハント外相は、「かなり友好的な同僚5人との討論にも出席できないのに、EU加盟27カ国とどうやって交渉するつもりなのか」と、ジョンソン氏を厳しく批判した。ただ、討論会の欠席が同氏の党内での支持に影響を与える気配はなく、この日には第1回投票後に党首選への立候補を取り下げたハンコック保健相が、ジョンソン氏支持に回る方針を明らかにした。
同党は18日に2回目の投票を行い、得票数33票未満もしくは最下位の候補者を除外する。同日夜にはBBCのテレビ討論が実施される予定で、こちらにはジョンソン氏も参加の意向を示している。保守党は候補者が2人に絞られるまで同様の投票を繰り返した上で、22日から一般党員約16万人による投票を実施する。結果は7月22~26日に発表される予定。
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