英国を訪問中のトランプ米大統領は4日、メイ首相や英米の大手企業トップらと会談し、英国の欧州連合(EU)離脱後の二国間貿易協定の締結に前向きな姿勢を示した。一方、この日は全国的に反トランプ氏デモが繰り広げられ、ロンドンのデモには最大野党・労働党のコービン党首が出席。同氏を巡る政府と市民の温度差が浮き彫りとなった。BBC電子版などが伝えた。
英政府はこの日、英米の大手企業各5社の代表を交えた朝食会を開催。英国側からは航空・防衛BAEシステムズ、製薬グラクソ・スミスクライン(GSK)、送電ナショナル・グリッド、金融バークレイズ、消費財レキットベンキーザー、米国側からは金融JPモルガン・チェースとゴールドマン・サックス・インターナショナル、航空・防衛ロッキード・マーティン、プラントのベクテル(Bechtel)、ソフトウエアのスプランク(Splunk)の最高経営責任者(CEO)や幹部役員が出席した。
メイ首相は「両国間の自由貿易協定、広域な経済協力、さらにグローバル経済とその規則、組織に対する基盤補強、形成、感化に継続して取り組み、市場の自由と公平さ、開放性、競争力を維持することにより、両国のパートナーシップは強化される」とスピーチ。トランプ氏は「英国と米国は非常に充実した貿易協定が結べる」と強調した。
メイ首相はその後、首相官邸でトランプ氏と首脳会談を開催。気候変動や英国の第5世代(5G)通信網構築における中国・華為技術の参加是非などについて話し合った。
ロンドンではこの日、トランプ氏反対派が大規模デモ実施のためトラファルガー広場に集結。前回のトランプ氏訪問時に登場した全長6メートルの「赤ちゃんトランプ」の巨大風船も、ウェストミンスター宮殿(国会議事堂)前の広場に再度お目見えした。デモには3日のバッキンガム宮殿での晩餐会をボイコットしたコービン党首をはじめ、自由民主党や緑の党の党員も参加。英国では他にも、バーミンガム、シェフィールド、グラスゴー、エディンバラ、オックスフォードなどでデモが実施され、警察官3,000人超が動員された。
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