ハント外相は28日、公共放送BBCのラジオ番組で、合意なき欧州連合(EU)離脱の強行は、与党・保守党にとって命取りになるとの考えを示した。同相は6月に開始される保守党の党首選挙に出馬する意向を表明しており、ジョンソン前外相ら離脱強硬派の他の候補者をけん制した格好となる。
同相は、保守党が合意のないままEUを離脱しようとすれば、議会で内閣不信任案が可決され、総選挙が行われることになると予想。そうなれば、最大野党・労働党が政権を奪取する可能性があると指摘する。その上で、唯一の解決策は、メイ首相がEUと合意した離脱協定を修正することだと強調。EUはかねて同協定の再交渉を拒否しているが、「適切な姿勢で臨めば、保証はできないが新たな合意の見込みはある」との見方を示した。
これに対し、やはり党首選への出馬を表明しているマクビー前雇用・年金相は、「10月31日の離脱期限にブレグジットを実現できないことこそ命取りになる」と反論している。
メイ首相は先に、EU離脱の行き詰まりを受け、6月7日で党首を辞任する意向を表明。新党首が決まれば首相も辞任することになっている。保守党は、6月10日に党首選を開始し、議会が夏季休暇に入る7月後半までに新党首を選出する方針。党首選にはハント外相のほか、ジョンソン前外相や、マクビー前雇用・年金相、スチュワート国際開発相らが早々に出馬の意向を表明。また、先にはラーブ前EU離脱相、レッドソム前下院院内総務やゴーブ環境・食料・農村相、ジャビド内相も相次いで立候補の意思を明らかにし、候補者は既に11人に達している。
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