英政府統計局(ONS)は10日、2019年第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP、速報値)が前期比0.5%増加したと発表した。2018年第4四半期の0.2%から伸びが加速。製造業者が、当初のブレグジット期限だった3月29日までに受注をさばくため在庫量を拡大したことが貢献した。
産業別に見ると、英経済の原動力であるサービス業は0.3%拡大。伸びは前期から0.2ポイント減速した。うち流通・ホテル・レストランは1.1%、自動車販売を含む運輸・倉庫・通信は0.7%それぞれ伸びた。
鉱工業は1.4%増加し、前期の0.8%減からプラスを回復した。うち製造業は2.2%拡大し、採鉱・採石は2%増えた。一方、電気・ガス・蒸気・空調供給は2.3%縮小し、水道・下水・廃棄物処理は1.7%落ち込んだ。
建設業は1%のプラス。一方、農林水産業は1.8%減っている。
GDPは前年同期比では1.8%拡大し、伸びは前期から0.4ポイント加速した。
ONSは第1四半期について「ブレグジット期限を目前に控え、企業が在庫を積み増したことが伸びをけん引した」と分析。一方で、自動車販売や卸売り、流通業にはこうした影響はあまり見られなかったと指摘している。
国際通貨基金(IMF)は4月、英国の今年のGDP成長率が1.2%になるとして0.3ポイント下方修正。英国の合意なき欧州連合(EU)離脱の可能性をリスク要因として挙げていた。2020年については1.4%になるとの見方を示している。
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