政府と最大野党・労働党は23日、イースター休暇で中断されていた欧州連合(EU)方針を巡る協議を再開した。下院で承認の得られる打開策を見出すため、リディントン筆頭国務相ら閣僚と労働党幹部が交渉に臨んだ。ただ、与党・保守党内には、労働党を巻き込む政府の方針への不満が高まっており、メイ首相の早期退陣を望む声も上がっている。BBC電子版が伝えた。
政府と労働党はイースター休暇中も事務レベルで協議を続けていたが、この日に閣僚級の本格的な協議を再開した。メイ首相はかねてEU離脱とともに関税同盟を脱する方針を示しており、ブレグジット後はEUと相互無関税の取り決めを交わす一方、対外的な関税の統一には踏み込まず、EU域外諸国と自由に貿易協定を結べる状態を目指している。これに対し、労働党はEUと恒久的な関税同盟を結ぶことを求めている。メイ首相が下院での採決で労働党の協力を得るため、方針を曲げて関税同盟を受け入れれば、党内の離脱強硬派が猛反発することは必至。
保守党内では、70カ所以上の地域支部が5月に臨時全国大会を開催し、メイ首相の不信任を巡る投票を行うよう求めているとされる。この投票結果に拘束力はないものの、同首相の不信任案が可決されれば、保守党議員は対応を迫られることになる。保守党は昨年12月に同首相に対する党首信任投票を実施し、信任票が半数を上回ったため、規則により今年12月まで再度の信任投票は実施できない。ただ、保守党議員委員会(1922年委員会)の上層部は、これを変更する手立てについて協議しているもようだ。
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