英国の欧州連合(EU)離脱協定に含まれる「バックストップ(安全策)」を巡る英・EU間の交渉が行き詰っているもようだ。EUは6日、英国の示した変更案を拒否し、48時間以内に「受け入れ可能な」新たな案を示すよう求めている。BBC電子版が伝えた。
英下院では12日にEU離脱協定を巡る再採決が行われる。メイ首相はこれに向け、「バックストップ」に法的拘束力のある変更を加えるようEUに求めている。具体的には、この措置の期間を限定したり、一方的にこれを破棄する権利を得ることを望んでいる。
EUのバルニエ首席交渉官と英国のコックス法務長官らは5日から、こうした可能性について協議を行っている。英国側はその中で、ブレグジット後に離脱協定を巡る英・EU間の紛争処理機関として設立される予定の独立仲裁委員会に、「バックストップ」終了の判断を委ねる案を提示した。これに対しEUは、アイルランド国境の将来に関る重大な判断は、仲裁委員会の権限外として、これを拒否。8日までに新たな提案を行うよう英国に求めた。
バルニエ首席交渉官は今回の交渉について、「難航し、解決策は見いだせなかった」とコメントしている。一方、コックス司法長官は、「双方が活発に強い意見を出し合った」とした上で、「交渉は本番に差し掛かっている」と話している。
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