英最大野党・労働党のコービン党首は2月27日、欧州連合(EU)離脱を巡る2度目の国民投票の実施を支持すると正式に表明した。メイ首相のEU離脱方針の代案として提示した労働党案がこの日に下院で否決されたことを受けての動き。3月12日までに実施される下院でのEU離脱協定を巡る再採決の際に、国民投票実施を求める修正案を提出する見通し。
コービン党首は労働党案の否決後に「有害な与党・保守党のブレグジットや、破滅的な合意なきEU離脱を避けるために、国民投票を支持する」と表明。ただ、「労働党案に基づくEUとの緊密な経済関係の実現や、総選挙といった他の選択肢」も検討すると話した。
コービン党首は、EUと包括的な関税同盟を結ぶ内容の労働党案を下院に提出したが、240対323の反対多数で否決された。同党首はかねて、同党の離脱方針が拒否された場合には、2度目の国民投票の実施を支持するとしていた。同党のマクドネル影の財務相は、下院でEU離脱協定を巡る再採決が行われる際に、2度目の国民投票を求める修正案を提出するとしている。
メイ首相は引き続き離脱協定の「バックストップ(安全策)」の変更を巡る対EU交渉を続け、3月12日までに妥結した上で再採決を行うとしている。それでも承認されなければ、離脱期限の3月29日に合意のないままに離脱するべきかどうかの採決を13日に行い、これが拒否されればさらに翌14日に、離脱延期の是非を問う採決を実施する方針。
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