最大野党・労働党の離党者が結成した無所属議員の集まり「独立グループ」がにわかに勢いづいている。20日には与党・保守党から3人が、前日にはやはり労働党の1人が加わった。BBC電子版などが伝えた。
保守党から参加したのはアンナ・スブリー議員、サラ・ウォラストン議員、ハイディ・アレン議員。いずれも欧州連合(EU)残留派で、党首であるメイ首相に宛てた共同書簡で離党を表明した。ブレグジットを巡る政府の対応のまずさを批判した上で、「右派で反EUの強硬派が幅を利かせ、過去40年にわたり全てのリーダーをつぶし、党を牛耳っている。彼らが保守党になっている」と非難した。
一方、40年ほど所属した労働党を離党したジョアン・ライアン議員は、コービン党首と彼を取り巻く「スターリン主義の徒党」が危機的事態にある英国で、真の野党勢力としての役割を果たしていないと批判。また党の反ユダヤ主義対策への強い不満も表明した。
「独立グループ」を18日に立ち上げたのは、2度目の国民投票実施を求める下院の超党派議員グループを率いるチュカ・ウムナ議員ら。コービン党首の国家安全保障やブレグジットを巡る方針を強く批判するとともに、イデオロギーに基づかない独自の政策方針を打ち出し、各党議員に参加を呼び掛けていた。同グループに加わった無所属議員は20日時点で11人。既に下院(定数650)での議席数は自由民主党と並ぶ。保守党は3人の離党により、閣外協力を得ている北アイルランドの民主統一党(DUP)と合わせると324議席を確保。現時点では2党を除く計318議席を上回っているものの、今後も保守党と労働党の離党者の同グループへの流入が相次ぐ可能性も指摘されている。
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