英国の与党・保守党は12日、メイ首相に対する党首信任投票を実施し、200対117で信任票が半数を上回った。規則により保守党は向こう1年はメイ首相への信任投票を実施できない。メイ首相はこれにより、下院において欧州連合(EU)と合意した離脱協定への支持を取り付けるための多数派工作に集中できる。BBC電子版などが伝えた。
メイ首相は、保守党議員委員会(1922年委員会)で投票前に熱のこもった演説をし、ブレグジットを遂行する決意を改めて表明。一方で、自身のリーダーシップに不満を持つ反対派の議員に譲歩する形で、次期総選挙までに党首の座を降りる方針を明らかにした。具体的にどの時点で身を引くかは明らかにしていない。
メイ首相が退任の意向を示すと、首相のアドバイザーや一部閣僚が涙する場面もあったという。
メイ首相は不信任決議を回避するために、少なくとも158人の保守党議員の支持を獲得する必要があった。今回の結果では、信任票が全体の63%となった一方、不信任票は37%にとどまり、83票の大差が付いた。
メイ首相への不信任を表明していたのは、EU離脱強硬派の下院議員ら。不信任を表明する48人分の書簡が保守党議員委員会に提出されたため、信任投票の実施が決まったが、メイ内閣の全閣僚はこれを受け、直ちに同首相を支持する声明文を発表していた。
メイ首相は、首相が交代すれば「ブレグジットが延期されたり、撤回される可能性すら出てくる」と訴え、離脱強硬派をけん制していた。
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