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「政治宣言」案で原則合意 英・EU、離脱後の関係巡り

英国と欧州連合(EU)は22日、英国のEU離脱後の将来的な関係の枠組みを定めた「政治宣言」案で原則合意したと発表した。先に暫定合意した離脱協定案と共に、25日の臨時EU首脳会議(サミット)でEU加盟27カ国(英国を除く)の承認を得た上で、正式に合意することを目指している。

メイ首相はこの前日夕、ブリュッセルで欧州委員会のユンケル委員長と会談し、政治宣言案で原則合意。これを受け、EUのトゥスク大統領は22日、EU加盟27カ国に政治宣言案を送付し、検討を促した。

政治宣言案は26ページから成り、経済パートナーシップ、安全保障パートナーシップ、統治・監督などの制度面の枠組みを示している。メイ首相のかねての主張通り、ヒトの移動の自由は終わらせるとしているが、自由貿易や関税同盟と英国の規制面での独立の兼ね合いについてははっきり示されていない。また、貿易協定がまとまらなかった場合に、アイルランドと英領北アイルランドの間での国境検査を回避する手法については、離脱協定案で英国全体が関税同盟にとどまるというメイ首相の案が採用されているが、政治宣言案ではこれに反発する英国の離脱強硬派に配慮し、新技術を利用した関税手続きにより、こうした措置の必要性をなくす可能性も示唆している。

メイ首相は、「政治宣言案はEU離脱を決めた国民投票の結果を実現し、国境管理と資金と法律を取り戻す一方で、雇用と安全保障を保護し、英国の統一を守るものだ」と強調。また、スペイン政府が、英領ジブラルタルを巡る英国とスペインの二国間交渉をEUからの離脱交渉とは区別する方針を巡り、政治宣言案の記述に難色を示していることについては、「21日に同国のサンチェス首相と協議した」とした上で、「ジブラルタル問題も含め、25日のサミットで合意を得られると確信している」と話した。

離脱協定と政治宣言が25日のEUサミットで合意にこぎ着けた場合、英議会は12月に離脱協定案の是非を問う投票を行う予定。ただ同案には、DUPや労働党のほか、保守党内のEU離脱強硬派や、2度目の国民投票を求めるEU残留派の一部議員も反対しており、現段階では承認獲得が困難とみられている。[EU規制]


関連国・地域: 英国EUアイルランドスペイン
関連業種: マクロ・統計・その他経済雇用・労務政治社会・事件

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