欧州連合(EU)の首脳会議(サミット)が17日、ブリュッセルで始まった。英国のEU離脱交渉で合意の糸口をつかみあぐねる中、今回のサミットでの進展が注目される。トゥスクEU大統領はメイ英首相に対し、最大の障壁となっているアイルランド国境問題の打開に向けた「創造的」な解決策を要求するもようだが、進展を楽観視する向きは少ないようだ。BBC電子版などが伝えた。
サミットではメイ首相がEU加盟27カ国の首脳に対し、交渉方針などについてスピーチする。その後、同首相を除いた晩餐会が開かれる予定だ。
交渉自体は14日に中断しており、メイ首相が方針を変更する可能性は低い。そのため、27カ国にとっての焦点は11月の臨時サミット開催の判断を下すことや、英国の合意なし離脱を想定した準備に取り掛かることとの見方もある。また、EUのバルニエ首席交渉官は今回、臨時サミット開催の是非を決める前にEUが期待していた「決定的な進展」は見られなかったと報告するとみられる。
英国は来年3月29日に正式にEUを離脱するが、2020年末までとしている移行期間が最大1年間延長される可能性も浮上している。これにより、アイルランド国境を巡る解決策さえ合意できれば、英・EU間の新たな貿易関係を巡る交渉の時間を稼ぐことができ、厳格な国境検査再開を避けることにもつながりそうだ。
なおロイター通信によると、EU側は12月かそれ以降の交渉妥結も想定しており、比較的落ち着いた構えだ。一方、英国側は政府内での意見の対立が続く上、メイ首相は11月初旬の予算案可決に注力する必要があるため、より切迫感がある印象という。
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