中部バーミンガムで開かれていた与党・保守党の年次大会が3日、閉幕した。メイ首相はこの日の演説で、欧州連合(EU)との自由貿易協定を目指す自らの方針をあらためてアピールし、党内の団結を呼び掛けた。内政面では緊縮財政の終了に言及。住宅供給量の拡大に向けた措置を取るとしている。
同首相は、「誰もが自分の理想のブレグジットを追求すれば、ブレグジットを実現できなくなる恐れがある」と強調。名指しはしなかったものの、首相のEU離脱方針に反発し路線変更を求めている離脱強硬派のジョンソン前外相らにくぎを刺した。EUとの交渉は正念場に入りつつあり、EUにとって英国の提案は困難な内容と認めた上で、「団結し冷静さを保てば、英国のためになる交渉結果を得られる」と訴えている。
内政については、10年にわたる緊縮財政に国民が耐えたおかげで、国家債務が減り始めたと指摘し、「緊縮財政は終了する」と明言。来年度も燃料税を凍結する方針を示したほか、「住宅危機の解決は、今世代の国内政策における最大の課題」と述べ、地方自治体の新規住宅開発向け借り入れの上限を撤廃する方針を打ち出した。
メイ首相はまた、最大野党・労働党の一部がコービン党首の下で、国と軍隊に誇りを持つ古き良き労働党の伝統を失っていると強く批判。保守党はいまや、国全体のための党になる必要があると訴えた。
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