最大野党・労働党のスターマー影のEU離脱相は25日、リバプールで開かれている党大会で演説し、メイ首相の欧州連合(EU)離脱案に対して議会で反対する意向を表明するとともに、2度目の国民投票を支持する可能性を示した。
スターマー氏は、メイ首相の離脱案は労働党が離脱合意について定めた条件を満たしていないとして、労働党は同党所属の下院議員に議会で反対票を投じるよう命じる可能性が高いと指摘した。労働党の条件には、労働者の権利の保障、関税同盟と単一市場の加盟国として得られる利益を引き続き全て享受できることなどがある。与党・保守党内の強硬離脱派はメイ首相の離脱案に反対しており、同案の議会での承認は労働党の賛同が得られるかどうかにかかっている。
労働党は、政府の離脱案が議会で否決されれば総選挙を実施することを求めているが、今回の党大会で出された動議では、「総選挙を実施できない場合には、労働党は2度目の国民投票に向けた運動を含めた全ての選択肢を視野に入れることを支持する必要がある」と明示している。スターマー氏はこれについて言及し、「EU残留も選択肢として排除しない」と述べた。
ただ、労働党内でも意見が分かれており、党内からはスターマー氏の発言について、離脱を決めた国民投票を受け入れて先に進むべきだとの批判も出ている。一方、コービン党首はこれまで2度目の国民投票には否定的な見方を示していたが、党大会での党員の決定を尊重することを明らかにしている。
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